Eirain

狗神のEirainのレビュー・感想・評価

狗神(2001年製作の映画)
2.6
原作は、坂東眞砂子の同名小説。原作小説が大好きなので本作も観ておこうと思っていたのだが、あまり評判が良くなかったのと、同じ著者原作の映画版『死国』がヤバいくらい酷かったのもあって、ずっと見送っていた本作。中古ショップで比較的安価で手に入ったので、ようやく鑑賞。

高知県の山里で紙漉をしながら静かな生活を送る美希。彼女の前に現れたのは、隣町の小学校教師として赴任してきた青年・晃。親子ほどの歳の差がある二人は惹かれ合い、交わる。それを契機とするかのように村で発生する不可解な事象。不自然に若返る美希。そこに横たわるは、坊之宮家の「犬神憑き」の血筋か―――。

原作の雰囲気もしっかりと出ていて予想以上に悪くないなと思っていたら、ラストでガッカリなものに。原作で一番の見せ場であった「村人の焼き討ち→犬神伝承の顕現」の展開が、「坊之宮家の無理心中→ただ逃げる美希と晃」に大幅変更。「犬神伝承の顕現(=メタモルフォーゼ)」は、どんな演出になるのか一番楽しみにしていたので、ガッカリ感が一入。「坊之宮家の無理心中」は物語の展開として「?」。前者は予算都合、後者は田舎への風評被害を(ほんの)少し懸念したのか。なかなかに良い形で描かれていただけに、非常に残念。・・・あ、映画版『死国』よりはだいぶ良かった!
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