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ハリー・ポッターと炎のゴブレットのRenのレビュー・感想・評価

3.5
【ハリー・ポッター初心者日記④】

映画の完成度云々ではなく、好きなシーンがあったので好きな作品になった。一気にみんな大人っぽくなりすぎ!
※言語化できないものを無理に言語化しているのでいつも以上の駄文乱文。

最後まで、とても『モンスターズ・ユニバーシティ』っぽいなと思いながら観ていた。少し余談になるけど、自分にはどうしても『~ ユニバーシティ』を大絶賛できない理由がある。なんとなく学園日常ドラマが見られると思っていたのに、そこに上乗せされたイベントのほうがストーリーの主軸になっていたところが、拍子抜けのような、またはラクをしているような気がしてしまった。
今作もにそれと同じような、本筋じゃない感を覚えてしまったので色々余計なことを考えながら観てしまった部分はあった。一方で、そういえばハリポタ映画ってそういう側面が大きかったなと思い直してからはそこまで気にならなくなった。

今作はひとえに、中盤に挿入されるクリスマスパーティーのシークエンスが最高だった。ほぼ『ハイスクール・ミュージカル』。どうでもいいと一蹴することもできるような煮え切らない恋模様が同時並行で3つほど描かれるだけなのに、10時間は共にしてきた彼らに情が湧いてきた頃だったので「もっとしっかりせんかい!」とヤキモキしながらもノリノリで観られた。派手なアクションシーンよりこのパーティーのシーンのほうがよほど応援上映したくなる。こういうシーンがあと何回か観られると思っていたのに一回で終わってしまったので、そこから先はほぼ惰性。

ハーマイオニーに「君も女の子だよね?」「女の独りはミジメだよ」と言うロンが駄目すぎて最低(最高)だった。思春期のちょっと虚栄を張りつつ失敗したくないダサさ全開で目も当てられない。
ファンタジーの世界だけど、彼らも自分たちと同じように恋をして青春してでもダサくて失敗する子どもたちなのだと思い出させてくれる、こういう描写が好きなのだと確信した。逆にファンタジー弱者の自分は、ファンタジー然としているファンタジー描写は何が凄いのかよく分からなくなってしまう部分がある。言語化が難しいのだけど、ふと「作者がそういう設定で作ってるのならそうなるだろ」と思ってしまってあまりノれなくなる。

あと全体のことを書くと、今作は脚本ではなく編集がどうも自分の好みに合わなかった。特にそれを感じたのは、第一のドラゴンの課題のシーン。課題に参戦するのは4人なのに、ハリー以外の3人が「ここまで3人が挑戦を終え...」という台詞のみで片付けられる。いや、そこを見せてくれ。いきなりハリー対ドラゴンを見せられても、フリが無いためどれくらいの難易度とヤバさなのかも良く分からずグルーヴしていかない。
そもそも150分以上ある上映時間で、たった3回しかない対抗戦のシークエンスをここまでバッサリと済ませる意味がよく分からない。少なくとも自分には、最後まで対抗戦の雰囲気を感じることができなかった。いつも通りのホグワーツの話。

その他、
○『モンスターズ・ユニバーシティ』+『ハイスクール・ミュージカル』だったのにダークみは着実に増していってるヘンなシリーズ。話が止まっているように見えてちゃんと動いたのでそこは安心できた。
○ ロンがハーマイオニーに軽口を叩いた直後に彼らの頭を引っ叩くスネイプ先生。ガキ使のようなテンポの良さ。また推してしまった。
○ ドレスアップして階段をおりるハーマイオニーに『美女と野獣』のベルの片鱗を見た。
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