そう

男はつらいよ 望郷篇のそうのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 望郷篇(1970年製作の映画)
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まったくフーテンの寅みたいな人生歩んでる人間としては身につまされる映画でした。いやあほんと馬鹿だなあ。

真っ当な暮らしのためには伴侶が必要なことが判明した寅さんだが、順番があべこべで、定職のない男に嫁ぐ嫁などありゃせん。でも真面目に汗水垂らして働くためには愛する人がいなきゃいけないんだもん。しょうがないじゃん。泣ける。好きな女のためなら頑張れるよね。わかる。
毎度毎度いろんな女に恋してる寅さんだけど、俺は決して浮気性じゃないと思うんだ。その時その時で一途に愛してるんだよ。そう考えると芸人の嫁って凄いな。

寅さんも寅さんで考えが飛躍しちゃうたちだけど、マドンナもマドンナだよ。「どうして出ていっちゃったのかしら?」じゃねえよ鈍感すぎるだろw天然なのか?ご都合主義と言ってよいのかわからんけど、物語の中にしかいないだろこんな空気読めないキャラ笑 そのへんもこのシリーズの異様さの一つ。

ストーリーの流れとは別に、感情の流れ?がある。寅次郎とさくら、この兄妹の間に流れる目に見えない何か。この二人にしかわからない、他人には感知し得ないエモーショナルな結びつきがある。コミュ障の寅さんにはないかもしれないけど、、さくらには兄の気持ちが手に取るようにわかってしまう。特殊能力といってもいい。
さくらは確かに優しい。真心で兄に接するし説教だってする。でもそれはただ心優しい人間だからではない。さくら以外が感じる「ただ何となくほっとけない」とは明らかに違うスタンスで寅さんと向き合っている。ここが一番のエモポイント。
そう

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