そそ

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのそそのレビュー・感想・評価

4.4
大傑作。露悪的で退廃的だが、人間を描いた作品としてこれ以上無い程生々しい。セックスとキス/オナニーと絞首というリビドー/デストルドー、コミュニケーションとディスコミュニケーション。自他境界の無い世界でも有る世界でも満足に生きられず、結局は他者を拒絶し、宙ぶらりんのまま終わる。他者と関わるのは怖いが、それでもまた会いたい。怖いが故に首を絞めてしまう、でも優しくされたら涙を流す。そんな大きな二律背反を抱えた人間を、キモチワルイ存在として提示する。こんな中でも生きていかなければいけないという諦観、と、それでも共存していけるかもしれないという希望が同居している(と思う)ラストが切れ味良すぎ。
あとは弐号機vs量産機の特撮的な重々しさ、儀式シーケンスの厨二病さも好き。観るのは2か3回目くらいだと思うが、全然咀嚼出来てないのでまた観ると思う
そそ

そそ