しょうや

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのしょうやのレビュー・感想・評価

5.0
1年振りに2回目の観賞。
反吐が出るほど面白く、これ以上ないほど露悪的。剥き出しの性欲、観客批判、オマージュの嵐、混沌の宗教観。自ら創り上げたものを壊し、壊し、壊し、リビルドし、また壊す。

シンエヴァを観た後だと、シンエヴァの中に本作と同じようなシーンがいくつも観られたのに気づく。当時は何もできなかったマヤ、アスカの首を絞めたシンジ、ヨロヨロと立ち上がるミサトさん。
そしてこの「Air/まごころを、君に」自体にも、テレビアニメ版へのセルフオマージュが散りばめられている。

「考察」し甲斐は幾らでもある。しかし、その意味や論理の結びつきの外側、そこからはみ出した所にこそ存在する、この作品の輝く魅力。その一つ一つに最上級の軽蔑と慈しみの眼差しを、忘れなければ、気付けば、涙が止まらない。
しょうや

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