KnightsofOdessa

夜のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

(1961年製作の映画)
4.0
[愛の反対は無関心] 80点

『情事』から『太陽はひとりぼっち』へと連なる"愛の不毛"三部作の第二部。金も時間もあるために刺激がなく、チヤホヤされてても筆が止まっている作家と、資産家の娘ということで恐らく幼少期から金に困ったことがなさそうで、希死念慮がありつつ友人の緩やかな死を見て"死にたさはあるけど死にたくはない"みたいな状態にいる妻が、知り合いの知り合いくらいの距離感の大富豪の家でパーティに飛び入り参加してフラフラする映画。"愛の反対は無関心"の極みみたいな一作。上の二作と異なり、夫婦の物語ということで『赤い砂漠』っぽさもあり、主演がマルチェロ・マストロヤンニということで『甘い生活』とか『8 1/2』っぽさもあり。ランペドゥーサ『山猫』でドン・ファブリツィオが"結婚は数日の激情と残りの怠惰"みたいなことを言ってたのを思い出した。空き地でロケット発射してる一行にロケットの煙が全部かかってるシーンと、廊下の市松模様でカーリングするという暇人の極みみたいな遊びをしていたのと、ラストで突然POVみたいになるのが爆笑ポイントだが、それ以外は三部作の中では一番パンチに欠けていたと思う(でも海外評価はこれが一番高い)。まぁ"資本主義も愛も一緒、中身がなくて不毛"って言ってる『太陽はひとりぼっち』が強烈なだけってのはある。ちなみに、アントニオーニベストはセスナの煽り運転シーンがあるイカれた『砂丘』。残り18本。
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