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U・ボートのhokaのレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
3.0
傑作との呼び声高い作品だが、若い頃の初見では、正直寝てしまった。

少年期ではやはり派手な水中アクションを期待していたので、閉塞した狭い空間でのむさ苦しいおっさん達の会話は退屈だった。

今思えばあまりにもリアリティを追求した結果、ドキュメンタリーを見ている気分になるし、洒落た会話もないからつまらないと思ったのだと思う。

潜水艦は本来銃撃戦におけるスナイパーの様にアドバンテージが大きかった筈なのに、対潜水艦戦術が確立してしまったら丸裸にされてしまう。
しかしあの狭い船内で戦闘シーンのカメラワークは流石だと思うし、ソナー音の臨場感は潜航するに従い圧壊の危険も相まって、あまりにもスリリングだ。

艦長の操舵術で乗組員もどうせ一蓮托生だし、最後の無謀な作戦も艦長のやけっぱちっぽいが、家族も同然な乗組員は文句一つも言わない。
WWⅡのドイツ人映画と言えばナチかSSだから、そんなやたら人間臭いドラマは新鮮だ。
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