ユースケ

ヒルズ・ハブ・アイズのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ガイガーカウンターを手にした防護服の調査員たちを奇形の大男がツルハシでぶち殺すハイテンションなアバンタイトルと古き良きアメリカを思わせるWebb Pierceの【More and More】をバックに核実験によって発生したキノコ雲の映像と枯葉剤によって誕生した奇形児の映像を垂れ流し、アメリカの闇を描き出したタイトルバックで掴みはOK。

キャンピングカーで旅行中の仲良し一家と核実験によって奇形の食人族と化したキチガイ一家の戦いを通して人間の暴力性について描いたウェス・クレイヴンの【サランドラ】を、フランスが生んだ変態イケメン監督アレクサンドル・アジャがリメイクした本作は、オリジナルのプロットやシーンを忠実に再現しつつ、キチガイ一家の奇形具合やヒャッハー具合をはじめ、残酷描写や恐怖演出をグレードアップさせた一本。演出力の違いで緊張感の違いをここまで出すとは…こいつはオリジナル越えだ。

とにかく、オリジナル同様、天才シェパード犬ビーストの活躍はもちろん、オリジナルではパッとしなかったお婿さんのダグ(【X-MEN】シリーズでパイロを演じたアーロン・スタンフォード)の活躍も見逃せません。
【Fallout】シリーズを思い出さずにはいられないマネキンだらけの核実験場を舞台に、暴力性に覚醒したイケメン・メガネ男子・ダグが血塗れでキチガイ一家を皆殺しにするクライマックスは必見。人間の暴力性について描いた【藁の犬】を思い出さずにはいられないメガネのひび割れっぷりも秀逸です。

ちなみに、人間BBQにされた挙句、星条旗を頭に突き立てられてお子様ランチ扱いされた仲良し一家の父親ボブを演じたのは【羊たちの沈黙】で殺人鬼バッファロー・ビルを演じたテッド・レヴィン。キャンピングカーと一緒に爆破された挙句、斧を頭にぶち込まれるキチガイ一家の父親ジュピターを演じたのは【ペイルライダー】【地獄のコマンド】【アンタッチャブル】で悪役を演じたビリー・ドラゴ。そして、本作で追加されたクリス・カニンガムのショートフィルムというかエイフェックス・ツインのPV【ラバージョニー】の影響をビンビンに感じさせるキチガイ一家のビッグ・ブレインも要チェックです。