ユースケ

ヴィーガンズ・ハムのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

肉を食べないヴィーガンの肉は肉を食べない草食動物の肉と同じで美味かったので肉屋の夫婦がヴィーガンをハムにして一儲けするお話。

金も愛も失った肉屋の夫婦がヴィーガンを殺して肉にして売り捌いていく内に金も愛も取り戻して元気になっていく展開はいい感じ。ヴィーガンを完全に食糧として品定めする自分に気付いた旦那がハッとするシーンを見て【美味しんぼ】39話【牛肉の力】で海原雄山が山岡士郎に雄牛しかいない囲いの中から牛を選ばせておいて「私はあの中からは選ばない!絶対に!あの囲いの中の牛は全部雄だ!」とインチキをかまして「牛の肉で美味いのは子供を産んだ事の無い雌牛の肉だ!」とドヤ顔するシーンを思い出したのは私だけでは無いはず…

金を儲けるために不味い肉を売る自慢話ばかりするムカつく成金肉屋夫婦を食べて「やっぱり不味い肉を扱ってる肉屋の肉は不味い」とか言って欲しかったし、皮肉ばかり言う意識高い系ヴィーガンのムカつく娘の彼氏を食べて「意識高い系ヴィーガンの肉は肉質の意識も高い」とか言って欲しかったし、人肉を食った事を知った近所の住民が後悔したり、人肉に目覚めたり、事件のその後もちゃんと描いて欲しかったけれど、カニバリズムをライトに楽しむにはこれくらいの匙加減で良かったのだと思いました。肉屋の夫婦が逮捕されて嫁がいつも見ていた連続殺人鬼紹介番組で紹介されるサラッとした着地点もそう考えると悪く無いですね。

とりあえず、ハーマン・ヤウの【八仙飯店之人肉饅頭】と【エボラ・シンドローム~悪魔の殺人ウィルス~】の方がカニバリズムをエンターテインメントにしていて100億万倍面白いからそっちを見ろ!