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汚れた血のfumiyannのレビュー・感想・評価

汚れた血(1986年製作の映画)
4.5

レオス・カラックスの作品を観るのは『ポンヌフの恋人』以来、2作目。
アレックス三部作を逆に辿っていってるわけですが、物語に繋がりは全くないのでそこは問題無かったです。

まず映像芸術としてのインパクトが凄い。カラックス独特のおしゃれでクセがあって、また光のぼやけた感じの綺麗なこと。

一応の物語はあるのですが、それは“取り敢えず”そこにあるようなもので、「何か物凄いものを見せられている」というような感覚。
伝えたいこと、描きたいことは別にあって、
物語は言わばそれを走らせるための"レール"のようなものだと感じました。

デビッドボウイの『modern love』に乗せて街を疾走する。
アレックスはあのまま速度をあげて走り続けたかったんだなぁ。

カラックス監督は当時26歳という若さで、ドニラヴァンは監督の移し身だとよく言われています。
若さが生じさせる疾走感、アレックスが求めていたその疾走感はラストでリーズに、そしてアンナへと受け継がれる。
名シーンです…。

青臭くて、幻のようで、生への葛藤を背負いながら走り続ける若者の映画。
主人公がヒロインに振られ続けるのもそういう若者の満ち足りなさを描いているのでしょう。

走りたくなってきた。


それにしても、ジュリエット・ビノシュ可愛すぎるね(←結局)
天使かよって。。
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