みんと

ヘンリー・フールのみんとのレビュー・感想・評価

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)
3.8
ハル・ハートリー監督『ヘンリー・フール』3部作の1作目。

コチラはお気に入りの2作(『トラスト・ミー』『シンプルメン』)よりも可笑しみは少なめ、印象的なシーンも少なめ、その代わりに下品味は多めな作品だった。
ただ、やっぱり繊細で文学的で哲学的でもある。更には鋭い視点の社会派な盛り込みは意外でもあり、製作年を考えると とんでもなく予言的でもあった。
何れにしてもオフビートの心地良さは期待通り。笑

社会の底辺で暮らすヘンテコ家族が自称天才作家のダメ人間ヘンリー・フールに翻弄される姿を描く今作。
一家の息子で冴えないゴミ清掃人サイモンの詩人の才能を開花させる一方で、姉と母親を誘惑するヘンリー・フール。相当なクズ人間ぶりを憎めないおとぼけキャラとして演じたトーマス・ジェイ・ライアンが素晴らしいし適役過ぎる。キモさ度合いも丁度いい。笑

クライマックスの盛り上げは、決して感動でもなく、カッコイイ訳でもなくて、ましてやカタルシスなんでまるで感じられないんだけど、今回も謎の高揚感…

続編にどう繋がって行くのか興味が湧くところ。

あと、てっきりジャケの彼がヘンリー・フールと思ってたので意表を突かれた感!笑
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