豪邸で暮らしている美術評論家の男（神原明彦）が、知人（益富信孝）から預かった女性（松川ナミ）を奴隷化させられる契約を結ぶ。自分の奴隷を他人に提供するという倒錯プレイを題材に取っている、日活ロマンポルノ。

新感覚の緊縛師・浦戸宏が原案ということだけあり、凌辱プレイのバリエーションに変化球が付けられている。屋外での逆さ宙吊り、アソコで生け花など、インパクトのある映像の連続性を楽しむことができる。

ただし、長男（酒井昭）の調教プレイを、ヒロインがあっさりと受け入れてしまうため、主従逆転のカタルシスは得られない。「父と契約していること」を全面に打ち出しながら、契約者以外の思い通りにはならない、という展開を見せて欲しかった。

一方、長男の嫁（ブレンダ亜鼓）を軸とした、ハレンチ一家のセックス劇は見どころ満点。父と息子による奴隷の奪い合いが痛快だし、ラストの着地点も鮮やか。松川ナミの体当たり演技にも拍手。

海外出かけてる絵描きのペットを預かる。纏足したり屋外で逆さ吊りして放尿をさせたり糸でぐるぐる巻きにして生花したり纏足させて目隠しさせたまま崖から突き落としたり砂浜に生き埋めにしたり。そんなこんなしているうちに家庭の妻もペットになってしまうという、全員がハッピーになるハッピーな作品。松川ナミさんもイキイキしているし、奥さん役のひとブレンダ亜鼓さんて方ですか？バタ臭くて素敵な方でした。

性の奴隷と化した裸の女性が詰められているデカイ箱を引っ張りながら街を歩く益富信孝、この画だけで100点。益富信孝は「映画」(ポルノ映画)の顔をしてるよ。異様な箱にまつわる物語を日常として撮れる中原俊に箱つながりで京極夏彦の『魍魎の匣』あたりを映画化して欲しかったな。