簡単にカルト映画などと言われているが、なかなか一筋縄ではいかない。女の一念岩をも通すというが、簡単に言えばそういう作品である。動機は「ジョン•ウイック」と同じ。でも、殺人は一回。それを164分かけて執念深く描いていく。マラソンのように。主人公はソープ嬢(当時はまだトルコ嬢と呼ばれていた)。しかし、興味本位ではなく、セックスワーカーに対する配慮、敬意もある。本作では監督も務める脚本家•橋本忍は、初期は黒澤明の脚本グループの一人として参加し、のちに「砂の器」「八つ墓村」など野村芳太郎作品でも名を馳せる。フィルモグラフィを見ると、傑作ばかりで本当に驚く。なのに、本作は公開2週間で打ち切られた。ここで自慢→私は劇場で鑑賞している。しかも、前売り券まで買って。それぐらい期待していたのだ。期待通りだったかは当時の記憶がない。長い時を経てDVDで再鑑賞した時の印象は、これは橋本忍によるセックスドラッグロックンロールムービーだ!そして、南條玲子が輝いていた。リメイクするなら綾瀬はるかでお願いします。