ノットステア

英国王のスピーチのノットステアのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.8
○感想
静かな映画という印象を持った。暴言を吐くアルバートと、国王に対して厳しい意見を率直に伝えるライオネル・ローグのふたりのやりとりは見ていてハラハラした。よくそんなこと言えるな、ライオネル・ローグ、と。
笑える楽しい作品ではないが、おもしろかった。
ヘレナ・ボナム=カーターが細くてきれいだった。最初誰なのか分からなかった。『Oceans'8』のときも好きだったけど。
ジェフリー・ラッシュも『パイレーツ・オブ・カリビアン』のバルボッサだとはなかなか気づけなかった。

イギリス王ジョージ6世と言語療法士の友情。史実を基に描いた作品(脚色もあるらしい)。第83回アカデミー賞では作品賞など4部門受賞。

ヒトラーの演説。
イギリスはドイツに宣戦布告。ラジオ放送で全国民に向け、演説を行う。


○登場人物(キャスト)
・アルバート/ジョージ6世(コリン・ファース)
大英帝国の第2王子。吃音症に悩んでいて、演説が苦手。
・ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)
言語療法士。
・エリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)
アルバートの妻。夫の吃音症を治すため、ライオネルのもとを訪れる。


○印象的な言葉
・エリザベス「夫は…公の場で話す必要があるのです」
ローグ「仕事を変えるべきでは?」
エリザベス「変えられないのです」

・ローグ「肺に入ったタバコの煙は…あなたを殺す」
アルバート「私の医者は、タバコはノ…ノ…ノドを楽にすると言ってたぞ」
ローグ「愚か者です」
アルバート「爵位を持っている」
ローグ「では、公式の愚か者だ」

・ジョージ5世「かつては、王のやるべきことと言えば、制服を着て立派に見えており、馬から落ちなければそれでよかった。いまや我々は、人々の家庭に入っていき、ご機嫌を取らなければならない。王族は、最も下層の、すべて生き物の中で最も卑しいところまで落ちたのだ。我々は、役者にならねばならん」

・エリザベス「最初の2回のプロポーズを断ったのは、あなたを愛していなかったからではないの。王室の生活に耐えられないと思ったのよ。あちこち訪問することとか、公務とかに。私自身の本当の生活がなくなるって。でも、思ったのよ。あの人はすてきな吃音を持ってる。みんなそっとしておいてくれるって」

・アルバート「王の謝罪を待つものは、長く待たされるものだ」
いやいやながらも国王ジョージ6世となったアルバートは、絶交していたライオネル・ローグの元を訪れて助けを求める。

・ローグ「長い間(ま)はいい。重大事に対する厳粛さが出る」
アルバート「それなら、私はこれまでで最も厳粛な王だ」