このレビューはネタバレを含みます
吃音を抱えていた英国王ジョージ6世が、その吃音を克服するまでの物語。
ラジオから映像へとメディアが進歩していく中で、国王の大きな役割として、国威発揚のための演説が求められていた。特に、ドイツ,ヒトラーとの戦争が迫っている時代において、力強い、信頼できる国王は、国をまとめるために不可欠であった。
そんななか、ジョージ6世は吃音に悩み、自分が国王に相応しくないと考えている。
しかし、父が死に、兄が一般女性との不倫関係に溺れていく中で、弟であるジョージ6世への視線は期待を強めていく。
その難題を克服するために言語障害専門のライオネルと出会い、吃音は、器械的な問題ではなく、心理的な問題であるとアプローチをしていく。
最後まで吃音がなくなることはなく、そこはリアルであった。そして、ジョージ6世が抱えている課題は吃音ではなく、自分が王に相応しいと信じられるかどうかであるというテーマ設定も良質。
しっかりと作り込まれた脚本であった。後半の、ドクターの資格を持っていないってゴタゴタは、蛇足だった気もする。