やや

グラン・トリノのややのネタバレレビュー・内容・結末

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

『かつて従軍していた屈強で偏屈なおじいちゃん』役があまりにも似合いすぎている…!
気難しさも、心を許していく過程も、仲良くなったあとの面倒見の良い(そしてされる方はちょっとめんどくさそうな 笑)様子も「いるいるこういうご年配の方!」とリアルに感じられて良かった。

タオが盗みに入った時の電気が揺れることでの光の演出が素晴らしかったな。顔が見えるような見えないような。

ただ、私が自己犠牲に魅力を感じないからかもしれないけれど、ラストは特に響かず…。
大声を出したわけでもないから目撃者がいないまま逃げられたり、1人しか撃ってこなかったり全員が捕まらなかったり刑期が軽くなったりでまた報復される可能性は?とか色々考えてしまって、なんだかもう少し上手くやれたような、悪い言い方をすると犬死のようにも見えてしまって。
感動を誘いそうなBGMも相まって、ジイサンが自己犠牲で一斉に撃たれてる死に様はカッコイイだろ?と誘導されているように感じ、なんだか冷静になってしまった。
二度も被害に遭って、誰も警察に真実を話さないし…

ウォルトにとっては「どうせ自分は病ですぐ死ぬから良い」かもしれないけれど、タオやスーは心に深い傷を負ったばかりですぐに友を失い、さらに「自分たちのせいでウォルトが死んだ」と苦しい気持ちを抱えていくんじゃないかと心配でもある。
とはいえ、怒りに任せて余計なことをしたという自責の念もあるのか、死期を悟ったウォルトがタオやスーをできるだけ長く救うために自分にできることはと1日かけて考えた不器用な作戦なのだと思うと愛おしさもある。

ずっと退屈せず観れていたのもあって、素直にハートフルな作品でも私は良かったかも。
結局、実の孫はイヤなやつのままだったな…。笑
やや

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