やや

ジョーカーのややのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

冒頭からただ街を歩いたりネタを書いている時など、一見なんでもない雰囲気の場面に緊迫感のあるBGMが合わさって"これから何かが起こる"不穏さが常に漂っている。
オレンジとブルー、対比の色彩が目立ち、美しい。と同時にアーサーの二面性、感情の表裏一体さを現しているようにも思える。
影の深い絵作りの多いこの作品の中で、母親を殺した瞬間あまりにも眩しい陽が差す。陽気な曲が流れはじめる。

言葉を使わずに感情を語るのがとにかく巧いと感じた。演出がとても好み。表情での演技力も素晴らしい。

「どう思う?この街のヒーローよ」

誰にも優しくされず、失うものがなにもなく、世界に絶望し、衝動で人を殺してしまった時。賞賛され崇められた時。
絶対に一瞬でもスッキリ気分が晴れないなんて言いきれるのだろうか。
誰もがジョーカーになる可能性がある。

誰にも愛されることのなかった優しいアーサーが、悪に染まることで全ての人に注目される存在になったんだ。
果てしなく明るいエンディングといったら。これが彼の見ている景色。


「僕の人生はまさに喜劇だ」


「そうさ、美しいだろ?」
やや

やや