ターミネーター以前のシュワ出世作
暴力が支配する剣と魔術のヒロイック・ファンタジー
主演の演技を必要としないなかなかの映画だった
STORY
遥か昔、侵略者タルサ・ドゥームの襲撃で鋼の秘密を知る一族が滅ぼされた。ただ一人生き残ったコナンはたくましく育ち、盗賊のサボタイやヴァレリサたちと仲間になる。やがてオズリック王の命令で、蛇を祭る邪教に囚われた姫を救出に向かう三人。だが、その邪教の教祖こそかつてのタルサだった...
シュワの筋肉映画かと思わせて、そうじゃないのが本作のユニークな点。ジョン・ミリアス監督、オリバーストーン脚本、「デューン」や「フラッシュゴードン」のラウレンティス制作というすごいメンツ。
パルプ小説の古典を映画化した本作は、ファンタジー・ロマン…ではなく血と肉に飢えたアメリカらしい作風。意外にもヒーロー・アクションの要素は薄く、黒魔術師と蛮族がはびこる退廃的な世界が描かれる。「マッドマックス」に似てはいるが、一応物語の中心に主人公を添えているのはハリウッド映画らしい。
実は「地獄の黙示録」にもよく似ている。皇帝暗殺のために王国を目指し、その使命を果たす顛末までよく似ている。というのも「黙示録」の脚本もミリアス本人で、2作とも彼が右翼映画に入る前に得意とした「伝説」シリーズ(勝手に)の一本かもしれない?
それにしてもシュワは喋らない。表情一つ変えず、本当に役者の扱いではない。ベッドシーンまであるのに。
敵役となるタルサ役はダースベイダーの声で有名なジェームズ・アール・ジョーンズ。最後の最後に言い放った「私はお前の父だ」はさすがに爆笑してしまった。
なんやかんやで続編も気になる一本だった。