【Boop Boop Bee Bomb!】
ずっと見たかったが、最近、劇場公開された時に行けず…が、U-NEXTで見つけた。
う〜ん…楽しかったが、腹八分目。肝心なところで目を逸らした映画に思えたが、制作当時はこれで充分だったのだろうか?原題『INSIGNIFICANCE』を言い訳のように感じてしまったが。特にラスト。
シチュエーションは面白く、編集の妙味もあって、途中までは引き込まれたのだけど。
永遠に離れている筈だった物質同士がぶつかり合い、化学反応までは起きたけれど、そこから新たな物質までは生まれなかったみたいな…要は、オチがなかったなあと。
そして、最後にあそこまで惨事を描くなら、それをなかったように巻き戻してバイバイ!と“取るに足らないこと”で片付けちゃダメだろ!と、しこりが残ってしまった。
マリリンが物語を…つまり男を引っかき回すのは当時まだ、定番の発想だったろうけれど、女性視点での再評価がされている昨今…
(ex. https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/vanity-fair-marilyn-monroe-never-a-victim)
…からみると、このマリリン“像”はもう、白々しくさえ感じてしまう。
演じたテレサ・ラッセルの解釈は面白かったけど。顔出しの瞬間から始終、眉間にシワばかり寄せている。マリリン“像”にソレって、一番似合わない。でも、テレサには似合うから奇妙な味なんだよね。
撮影は見事だし、ニコロー・ショットともいうべき、監督ならではの寄る画は頻発するしで眼は飽きない。この巧さがあるなら“ソフィスティケイテッド・コメディ”としてまとめて、生々しいトラウマ描写はその節々でチカッと輝かせれば、かえって心に刻まれる物語になったのでは…と個人的には思います。
“INSIGNIFICANCE”と言いながらも実は違う、という映画が見たかったですね。
…なんのかんの言っても、マリリンパンチラ、白!にはデヘヘ、でしたが!
<2024.3.27記>