ひでG

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のひでGのレビュー・感想・評価

4.2
今年2回目の「午前10時の映画祭」
今夏の予定表を見て、絶対にこれだけは劇場で観ようと思ってきたので、新作鑑賞を後回しにして、馳せ参じました!

一度レビューもしていますが、「ディレクターカット版」として、もう一度レビューできて、ラッキー✌️

だって、初めて劇場で観たんだもん!
これは、鑑賞という以上に体験ですね!
僕も含めて、ほぼ満席のお客さんが、息を殺して、呼吸も同時にしているような
同一感覚、同時緊張の場になっているのが
よく分かりました!  

これは、単にホラーに留まらない奥の深い
壮大なテーマを持つ映画史に残れる稀有の作品だと改めて思いました。

オカルト、つまり超科学現象で人を驚かせる、怖がらせるだけに特化した映画なら、もっと、もっと過激な絵作りはできたはずです。
(もう、ネタバレ大丈夫かな、、一応行替えで、、)





例えば、ランカスター神父が死亡しているシーン。あそこなんかは恐怖の山場になるよね、あっさり死んでるのを見せるだけ。
それを見たカラス神父の怒りの行動にすぐ繋げていた。

同様に単純なオカルトなら悪魔が棲みついたリーガンの描写をもっと畳みかけるところを敢えてしていない。
初見時も思ったけれど、今回改めてカラス神父の存在がとても大きいことに気付いた。
カラス神父は、精神科医でありながら神父でもある。
科学と信仰の二つの世界を持っている人物であるが、映画では、年老いた母を救えなかったことにより、自身の信仰心も揺らいでいた。
リーガンの母が悪魔祓いを懇願した際も
「最良の治療は最先端の病院で。」と一度は拒否している。

この映画の恐怖の深さは、悪魔祓いに辿り着くまでの科学の無力感を描いている点だ。
特に、首に直接穴を開けて検査するシーンは悪魔場面と同じくらいに怖かった💦

「なぜ、こんな良い子に、、」
私たちは何度も何度も絶望の淵に追い込まれる。
自身の信仰心に疑問を抱いたカラス神父が最後に取った行動は、リーガンと共に自身を救う唯一の方法だったのかもしれない。

前回のレビューでも書いたが、恐怖のシーンと同じくらいに、「怖いほど美しい」画面も多い。
特に今回感じたのは、人物たちが吐く白い息。あの白さに、生身の人間の温かさ、儚さを表しているように感じた。

最後にリーガンを演じたリンダ・ブレアの可愛さ(悪魔に取り憑かれる前)
あの後、あんなになるんだ〰️と思うから、余計にいじらしい。

それに、演じたリンダ・ブレア自身の人生もとても痛ましい、、

凄まじい一生ものの映画体験でした!
ひでG

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