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リトル・ダンサーのbibooのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

1984年、マーガレットサッチャー政治下のイングランド・炭鉱町エヴァリントンに住むダンスが好きな少年の話。実際の撮影もイングランド北東部イージントンの最後の炭坑で行われ、エキストラには地元の新聞で募った元炭坑労働者たちを含む約400人が参加したそう。無情な政府への抵抗と、現実的な生活との間でもがく父と兄の姿は辛かった。

しかも主人公のビリーがヤングケアラーであり、幼なじみでゲイの子とのブロマンスがあるなど、全然今見ても古くない題材。しかしビリーは性別問わず周囲の色んなキッズからめちゃくちゃ告白されてて、特に女子からの口説き文句が大胆すぎてわろた。ビリーを演じたジェイミーベルは6歳でダンスを始めかつ女性親族がみんなバレエを踊ってたそうで、ジェイミー自体がビリーみたいなもんだった。経験者といえども劇中の振り付けにどのくらいの練習期間をかけたのかとか気になる。

先生がニュートラルであることがこの物語での救いで、サラッと「決めつけない」って言ってくれる大人は幼少期には大切な気がする。ラストシーンで登場する25歳になったマイケルが自分に正直に生きられているような感じがあったのもよかった。
いっつもビリーの家の前にいる近所の女の子の出立がすごい謎でウケたけど、もしかしたら実は壮絶な生活環境ゆえにいつも外に出てるのかなとも考えられる。

ぶっきらぼうだった家族が、ビリーを応援する気持ちから絆されていくのが良くて、特に兄がビリーが乗るバスの外から「I miss you」と言ったのにビリーが「聞こえないよ」と言うシーンが泣けた。ビリーがバレエ学校に受かってお父さんが一番に走り出したのも泣ける。

あと小物使いやスタイリングがとにかく可愛くて、切り取りたいシーンが多すぎる。
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