おはる

血と砂のおはるのレビュー・感想・評価

血と砂(1965年製作の映画)
3.8
「さあバンバン派手にいこうぜ!キャンプファイヤーはボンボンやろう!」
昭和20年夏の北支戦線。陣地奪還を命じられた型破りな小杉曹長率いる少年軍楽隊、流しの板前、葬儀屋からなる小隊の運命やいかに!というお話。

戦場に鳴り響く銃声と爆発音と悲鳴、そして軍楽隊による『聖者の行進』。一人また一人と倒れ皆の命が尽きた時、音は鳴り止みついに静寂が訪れる。そして明かされる衝撃の事実…。

コミカルなシーンがたくさんありつつも強烈な反戦のメッセージが込められた不思議な味わいの戦争映画。
とにかく軍楽隊による音楽が素晴らし過ぎた。とりわけ出撃前に演奏される『夕焼け小焼け』がほんとによくて、サントラ売ってくれー絶対買うから!ってなった。

あと三船敏郎が演じた小杉曹長をはじめキャラが皆んな立っていたのもよかったなあと。とくに仲代達也が演じた佐久間大尉。最初はただの嫌な奴だったが実は熱い心の持ち主(しかも童貞疑惑まで…)。そんな彼のセリフ「指揮官は進む時は先頭 退く時は最後尾」がめちゃくちゃカッコよくて、いつかどこかで使いたいなと思った。


何かと話題の"従軍慰安婦"についてもこの時代だからか明るく逞しい女性たちとして描かれていて、現代日本においてこんな風に映画の中で登場させた日にゃあもうそりゃー大変なことになるんでしょうなあ、とそんなことを思ってしまいました。
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