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トップガンのLCのレビュー・感想・評価

トップガン(1986年製作の映画)
3.2
興味深かった。

近々音響を楽しむ映画祭で本作の続編を見ることができそうなので、お試し鑑賞。
これは確かに、家で見るのと映画館で見るのとで、受ける印象も迫力も結構違ってきそう。

興味深かったのは、選りすぐりのエースだけが在籍するような学び舎でも、人の死に対する姿勢を学んだり、それを目の当たりにした時効果的にケアする体制ってないっぽいのかなあという点。
ミサイルを積んだ飛行機に乗ってロックオンする、その技術は確実な腕が求められるけれど、その腕が求められている場所は、何かの弾みで命が散る場所だ。仲良しが亡くなってから勢いが削がれるのは理解できるけれど、専門的なケアもなく個人の立ち直る力に頼るしかないのは、少し心細い気はする。
どうしても戦の繰り広げられる話だと、人の命が数字で語られるんだけれど、10人だろうが1人だろうが、敵だろうが味方だろうが、例えどこかの名前も知らない誰かだろうが、人の死に触れて傷を負わないわけないのだ。次は自分の命が数字になるかもしれないんだし。その感覚を麻痺させるしかないというのは、とても悲しい。その麻痺はきっと、会議室で「想定犠牲者数」の話をして、少ないなら良し、と考える感覚と近いところにあるかもしれないから。

ただ、1人の天才の成長物語として、スッキリまとまっているのも事実。
すごい人も何だかんだ人間だから欠点もあるし、上手くいかないこともあるよ、でもやっぱりすごい人だよ、という、理解のしやすさ。飛行機の話は頭の中がとっちらかるぜ、船どっから出てきたんだ、どういう状況?となる人でも、主人公の物語はきちんと追える。

今作でちゃんと卒業式に出ていた主人公が、教える側になることを希望していた。次作は、主人公にとって印象に残る生徒が出てきたりするのだろうか。映画祭行けるといいな。
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