ミシンそば

ザ・ドライバーのミシンそばのレビュー・感想・評価

ザ・ドライバー(1978年製作の映画)
3.0
所謂「逃がし屋モノ」の元祖的な立ち位置にある(と思う)、カーアクション映画。
ウォルター・ヒルが大得意とする都会アクションと、その題材の相性が良いと言えばそれまでだが、思っている以上にアクションに本気で、歯車が噛み合っていた。

役名もまともに存在せず、ただキャラは役割を名前とする(ドライバー、ディテクティヴ、プレイヤー)。
あまりに露骨に「サムライ(メルヴィル)」を意識させる序盤の取り調べ室での人相聞きのシーンからも、ウォルター・ヒルがひり付いた空気を醸し出そうと努力をしている様は見て取れた。
(それでも結局、ブルース・ダーン演じる刑事とかの会話はいつもの軽快な感じに着地していたけど)。

「サムライ」以外にも、Wikipediaによれば影響を受けたハードボイルド系な作品はあるみたいだが、今にして思えば本作も最早影響を与える側の作品になっているんだなあと思うと、案外この作品の存在感もバカには出来ないと思った。

(あと完全に余談だけど、最後に決着をつける場所が港の倉庫っていうのは凄く70年代後半~80年代のハリウッドアクションって感じがして何か安心した)。