悪夢に悩まされている青年が、精神科医の謀略により、地下死都へと転移させられてしまう。異世界に転生した青年の冒険譚を描いている、ナンセンス・ホラー。
「社会不適合者にされた人々=闇落ちした人々=地下に生息する夜族」というモチーフを取り上げている作品。地下死都のビザールな雰囲気作りが秀逸であり、魑魅魍魎、異類異形、怨霊怪異のフルコースを味わうことができる。
何よりも、現実世界から排除された除け者たちが、夜族という名の運命共同体になるところが魅力的(言ってしまえば「悪魔」なのだが)。精神科医&殺人鬼を熱演する、デヴィッド・クローネンバーグの佇まいもまた素晴らしい。
今回は海外盤DVD(非ディレクターズ・カット)での再鑑賞となったのだが、なんと過去に鑑賞した日本のVHS版とはラストが異なっていることが判明。ディレクターズ・カット版も違うはずだから、一体いくつのバージョンがあることやら。