青山

グレムリン2/新種誕生の青山のレビュー・感想・評価

グレムリン2/新種誕生(1990年製作の映画)
3.4

光に当てちゃいけない、夜中にものを食わせちゃいけない、水をかけちゃいけないなど、飼育する上での注意点が多い故に現在では絶滅危惧種に認定されている動物・モグワイを描いた大人気映画の続編であります。

人気作の続編ってのは難しいですね、やっぱり。だいたい前作と同じような展開で安定はしてるけどマンネリなパターンか、変に話を続けて蛇足になるか、とにかくめちゃくちゃやって面白いけど前作への思い入れが跡形もなくなるパターンあたりですよね。
本作は最後のやつで、とにかくはちゃめちゃだから観ててすごい面白いんですよ。
でも冷静に考えるとグレムリンってなんだっけ?ってなっちゃう。

お話は前作の主役の2人が不動産王クランプ氏の近未来的なビル、クランプタワーで働くことになったところから始まります。
そして、クランプタワーでギズモと再会したビリーはギズモを連れ帰ろうとするも失敗してグレムリンパニック!という感じ。

前作の魅力は、B級なのにしっかりしたストーリー展開、主人公とフィービー・ケイツの恋(フィービーのかわいさ!)、そしてギズモちゃんの愛らしさあたりだったと思います。
今作では、ストーリーはすっちゃかもっちゃかで、フィービーはなんか変な髪型で可愛くないしあんま出てこない、ギズモも一ヶ所見せ場はあるけどあんま出ないしそもそも「お前がすべての元凶やんけアホ!」と言いたくなる。前作の良かったところは全て台無しなわけです。

じゃあ代わりにどこが面白いのかと言うと、グレムリンたちのハジけっぷりとメタやパロディを含むギャグの連発。
今回はなんと(タイトルにあるから「なんと」でもなんでもないけど)グレムリンさんたちが進化するんです!
人語を話すグレムリンをリーダーに、遺伝子操作で色んなグレムリンが誕生。バリエーション豊かな彼らのはちゃめちゃな大騒ぎの面白さは前作の比ではなく、ある意味「グレムリン」というタイトルに忠実なのはこっちかも?
また、まさかのメタパートを含む自虐ネタと他の映画のパロディネタもいかにもB級映画らしいです。クリストファー・リーが出てるだけでもうホラーのパロディみたいなもんだし。というか、第2弾でメタに行くところからして「リターン・オブ・ザ・キラートマト」のパロディかとも思っちゃいますがどうなんでしょう。

そんな感じで、ストーリー無視の乱痴気騒ぎに成り果ててしまった第2弾。個人的には1作目のが断然好きですが、1作目が素晴らしいと続編はこうするより他にないのかもしれません......。
青山

青山