黒川

バタリアン2の黒川のネタバレレビュー・内容・結末

バタリアン2(1987年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

だいぶギャグに振り切ってた。

ほぼ1と同じ内容。軍のアホのせいで流出した化学物質トライオキシン245がドラム缶から噴出。それを吸い込んだ人間も、それが含まれた雨水を含んだ土中に埋められていた死体も蘇り、タールマンもちょっとだけ出るよ。ハーゲンタフとかオバンバみたいなアホネームがないのでちょっと寂しい。オバノン造形じゃないのもまた寂しい。

割とバタリアンだしコメディでありつつ、ちゃんと怖がらせようともしているのだが、前作が偉大すぎた。ダン・オバノンって本当に天才だったんだな。
バタリアンの良さは、その脚本とキャラクターにあった。墓場に屯する若者たち、アーニーの隠れ家的な斎場、生きながら死んでいる状態になるフランクとフレディ、脳みそを食べる前に結婚指輪を外し自分から火葬装置に入るフランク…トライオキシンが雨で地面に染み込み、燃やしたハーゲンタフの煙がまた雨雲に吸収される絶望的な状況。走りまくるゾンビ。そしてあの終わり方。見事すぎる。

1作目を褒めまくってしまったが、本作はこれはこれで普通に楽しい。エドは前作のフランクでした。生きとったんけ。子供が主人公になったのでもっとアホでコメディ色を強くしてある。クソガキがトライオキシンのドラム缶をぶち壊し、ガキとアホな墓泥棒が噴出した煙に巻き込まれ、雨で埋まっていた死体も蘇り、なんか知らんが軍は民間人を見捨てるし街には人が居ねえ。なんでだよ。説明しろ。そう思いつつ、前作もノリはこれだった。やはり脚本と一貫性の妙である。なんのこっちゃ。
前作でフランクの奥方が出てくることはなかったが、彼の愛の描写はとても美しかった。フレディは恋人に脳みそを食わせろと言い、彼女は拒否してゾンビ化した彼を礼拝堂に閉じ込める。本作のジョーイとブレンダ愛は深い。それならもっとそれをよく見せて欲しさはあった。ジェシーとルーシー姉弟も、背景がはっきりしない。そのせいで少し大味。ゾンビも走ったり走なかったりなので、そのせいで怖くないのが惜しい。評論家気取りか。
腐しているような文章になったが、話としては個人的にはそう悪くはなかった。でも物足りない…1を観なければ。
黒川

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