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浮草のRenkonのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
4.0
これは風情があるなあ〜。
ステンドグラス、浴衣の鶴の柄、夏でも燗を嗜む大人たち。そして駒十郎の小気味良く、ときに攻め立てるような関西弁にはその勢いに飲まれてしまいそうになる。

舞台はとある港町。
一座を引き連れた駒十郎は、かつてこの町で関係をもった女性との間にできた息子清に会うために、再びこの地にたどり着く。
「浮草」とは夏の季語。
真夏とともにこの町に訪れた駒十郎一座が、男と女の、人間模様を見せてくれる。

一座の男たちが飲み屋に集ってあーだこーだ言ってるシーンが好きだった。スケベ心の末頬に傷を負ったやつに、ゲテモノみたいなおばはんが出てきて「いけねえ、寒気がしてきた、。」と呟くやつ。女にモてる粋がいい風なおいちゃんも味があった。

ゆるい人間模様ながら、グイグイ一つ一つの魅力に引き込まれて夢中になって見てしまった。
しいていえば、無一文になってしまうクダリが些か急だったように思える。
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