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さとにきたらええやんのRenkonのレビュー・感想・評価

さとにきたらええやん(2016年製作の映画)
3.9
こどもの里からの視座で、西成の現在を映していたのが一番印象的だった。
『㊙︎色情めす市場』にも登場する日雇い労働者達の街あいりん地区。
低所得ゆえダンボールハウスでの生活を余儀なくされるおっちゃん達に対しできる限りの支援をしたいという思いから、スープを持っていってあげたり、体調悪ないか?と声かけする子どもたちの画が、なんとも温かく心を突き刺す。
おっちゃんの一人が子どもに「今までで一番楽しかったことは何ですか?」と聞かれ「う〜〜ん、、親父に連れられて万博行ったときかなぁ〜」と答えるシーンが何とも泣ける。(子どもよ、それは禁句だぁ〜っ)
そして、そんなおっちゃん達が労働者として1人の人間として尊いということを子どもたちに教える辺り、里の懐の深さを感じた。

至極真っ当で愛に溢れた作品だが、ちょい物足りなさを感じてしまうのは捻くれというものだろうか。
矛盾だらけの被写体を捉えた「FAKE」や「ヤクザと憲法」を恋しくなる気持ちが、なぜか残った。
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