このレビューはネタバレを含みます
映像や世界観は独特で確かに前評判通り
スリーマイル島原発のような建造物も途中出てきて、作風は全く違うがOn your markのようなディストピアにも似ているところがある
キスシーンの焦らし方抜群だった
あの演出はすごい
ロングヘアのジル綺麗すぎ
ウィッグ一つであんな変わるなんて
ベッドシーンの締めくくりには幕を使ったアイリスでトランジションし、なかなか洒落ている
中盤までずっとグレーを基調としたショットが多いが、ジャックのオフィスに訪ねていく前の廊下で初めて白がメインカラーになり、その後ヒロインと外に出た際は青空が見える
またラスト付近でヒロインと逃げていく際も緑の風景が広がっており、シークエンスが持つ意味を色に落とし込むのが非常にうまい
結局、ストーリーは拷問シーン以降は全て主人公の幻想だったというオチで終わる
途中間延びするし少々長く感じたりして脚本は文句なしというわけにはいかない
しかし至るところにメッセージ性やディストピアを活かしたブラックジョークがあり、ロバート・デ・ニーロ扮するテロリストは、政府よりよっぽどヒーローに見える描き方をしているし、政府が体制を保つためにテロリストを必要としているというサブテキストは素晴らしい
一度は見ても損はない怪作でした