ドナウ

未来世紀ブラジルのドナウのネタバレレビュー・内容・結末

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

近未来的でありながら、古き良きアメリカ映画の雰囲気に包まれている不思議な世界。囚われたラウリーに罪状を告げる場面で、この映画を見ている者しか知らないであろう罪状を淀みなく告げる演出が、強制的に視聴者を監視者に引き釣り込んでいるように思えてドキッとした。この管理社会自体が、演出通り行動し観衆に監視されるキャラクター達が囚われた映画のよう。そんなキャラクター達は、自由を夢を見てトラックで壁を破り外の世界へ飛び出そうと行動する。そんなカイロの紫のバラやカラー・オブ・ハートのような見方もできるなーなんて思った。そう考えると整形に勤しむ母親も皮肉めいてるなと。終盤の二転三転していく展開は面白く、まるで脚本のない映画のよう。現実では囚われるも空想の中で自由に生きるラストはビターなようだけど羨ましくもある。

ヒットラーのそっくりさんや軍服も登場しオデッサの階段のオマージュっぽいのがあったけど…どうだろうか。
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