ミサホ

女はみんな生きているのミサホのレビュー・感想・評価

女はみんな生きている(2001年製作の映画)
4.2
ずいぶん前に観て、とても印象に残っていたので、DVDを購入した作品。

コメディとしてもサスペンスとしても人間ドラマとしても、とても良く出来ている作品だ。

カトリーヌ・フロとラシダ・ブラクニのふたりの女優が素敵。特にラシダの子鹿のような雰囲気が好き。

カトリーヌ・フロ演じるエレーヌはダメ夫とダメ息子にうんざりしている主婦。一方、ラシダ・ブラクニ演じるノエミは悲しい過去を持つ娼婦。

売春組織が絡んだノエミの事件で出会うふたりだが、そこからのエレーヌの奮闘っぷりとノエミの暗い過去が明らかになっていく展開にぐいぐい引き込まれる。

この作品に出てくる男性陣がほとんどクズで、女性の一生懸命さや軽やかさと比較して、呆れるくらいに滑稽に描かれている。

とにかく面白い。
スピード感もあって、スリルな展開とコメディ部分の緩急のつけ方が秀逸。

情報もかなり盛り沢山だけど、分かりやすい。また、女性讃歌に偏った作品ではあるけれど、この作品の意図からするとそれでいいのだと思える。

アルジェ出身のノエミはパリで娼婦になり、身を持ち崩した印象だけど、金融関係の才を発揮したりして、とても賢い女性だということも分かる。

あと、フランスにはアルジェリアの移民が多いと聞いたことがある。いつかのサッカーW杯の決勝フランス対イタリアの試合でのジダンの一発退場を思い出してしまった。
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