薄荷

ミツバチのささやきの薄荷のレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
3.8
午前十時の映画祭という、映画の前(!)後に町山智浩氏の解説付の上映で観た。
なるべく前情報なく映画を観たい方で、映画の前に解説があるという状況で鑑賞することはなく今回初めてだったため、斬新だった。鑑賞前に聞いておいて良かったとは思いつつ、聞いた内容の答え合わせになった部分も否めず、純粋な映画体験としては、少し残念だったかも知れない。

しかしながら、解説付であったからこそ、理解がぐっと深まったことも事実ではあった。特に、この映画の構成と当時のスペインの関係について知らずに観ていたら、この映画の真の目的には気づくことが出来なかったと思う。もちろん、映画というものはそれ自体のもつ美しさや表現に価値がまずあるのであって、そもそもの目的などという方が野暮ではないかと思う時もあるが、この映画の目的について知ることで、この映画が50年前の映画であるにも関わらず、未だに世界には同じような状況に置かれている人々がいるという事実について考えさせられた。

アナの、顔半分が眼ではないかと思われる位の大きなクリッとした眼が本当に印象的で、彼女の存在はどんなシーンでも常に愛らしかった。姉のイサベルも同じく。
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