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ミツバチのささやきのsoloのネタバレレビュー・内容・結末

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

アナ役の子役の子がむっちゃ顔かわいくて震えたんだけどさ。まぁそれはおいといて。

メ、メメントモリ………(焦?

よく見る令和のキッズたちはある部分大人より大人っぽいかもしれないが、それでも十分能天気というか、発想お花畑(口悪)というか…それが普通だと思ってはいるんだけども。
…普段このアナみたいなタイプの面構えの子供って果たしている?かと。かなりレアな子供じゃない?
なんていうかまずあんまりニコニコしないのよね。
あと行動の端々に"死"を感じる。それも無鉄砲とか子供特有の危なっかしい感じじゃなくて(そういう感じは姉?のイサベルの方がぽいけど、ちゃんと危険は回避してる)。
進撃のエレンだわ。まぁあそこまでヤバくない、ソフトなエレン、ソフトな死に急ぎ野郎。
いや、死に"急いでる"っていうのも違ってなんていうか
…「死に魅入られている」みたいな。危なっかしかったり愚かだったりしてイライラするという感覚はなくてちょっと神々しすらあった。
夜に窓開けて、どっかからお迎えがどっかに帰って行っちゃうんじゃない感。

「アナはまだ子供です。だんだんと忘れていく」

的なことを、終盤で失踪して翌朝未明に保護されたアナについて最後の方で医者が言っていて、たぶんそうなんだろうなと思うんだけど、そうじゃない世界線ももしかしたらあるんじゃないか…いやないか。

そしてそれにしても話がわかりにくい。
また来たかな難解系だったな。タイトルとの整合性がよくわからんのよ。いつミツバチささやいたん??
あとテーマというか…つまりどういう主張の映画なのかが、なんかまだ掴めてないというか。
ソフト死に急ぎ野郎のアナと、アナの周りの世界を見て考えずに感じろということなのか。…ググるかぁ。
加筆すると、アナの父親が養蜂をしたりきのこをアナたちと採りに行ったりと自然に造詣が深い人物だったり、あとアナの家の窓ガラスがハニカム柄(蜂の巣の構造みたいなあの柄)でかなり暖色系な明かりが灯ってるシーンが多々あるのでつながりが無い訳はないんだと思うのよ。つまりアナ宅が擬似的養蜂箱でアナたちは幼虫にあたるんじゃないかとは思う。

"このガラスの養蜂箱においては蜂たちの働きが時計の歯車のようによくわかる---------(略)"

"幼虫たちに待っているのは労働だけだ。その事実を知ったとき、ある人は目を逸らした"(※かなりうろ覚え)

お父さんが作中養蜂について書いてる本の中にある文書がとても印象的。いまちょっとググってきたんだが、やはりミツバチを通して見る、人間の死生観の映画てことでよいんじゃないか。
ただし死生観いうても自分(アナ)も自然の循環の中の一部だと受け入れるんじゃなくて静かながらもそこからの逸脱を試みるっていう反骨の。


内容の深さは小説そのもの。
文章として読んだほうが正確に理解できるかなとも思うけど
映像化されることで空気として感じられる。それをわかりやすいとするか、難解とするか悩むなぁ。
理解しきれてないからむちゃよかったぜ!と言えないんですが…なんか記憶に残るものがある。そういう良作でした。
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