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白夜のbennoのレビュー・感想・評価

白夜(1957年製作の映画)
4.0
大好きでAll-time Best のブレッソン監督『白夜』と同じく…原作はドストエフスキーの同タイトル短編小説…。

イタリアを舞台にしたヴィスコンティ監督の『白夜』…ブレッソンの作品から1年経って漸く観ることが出来ました…。


大筋はブレッソンのそれと同じく小説に沿っています…。

イタリアの港町…夜更け頃…転勤してきて間もない青年マリオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は橋の上で泣いている若い女性ナタリア(マリア・シェル)と出逢います…。

彼女は「1年後に帰る」と約束して去った恋人(ジャン・マレー)を毎日橋の上で待っているのでした…。

そしてその約束の1年が経ち、未だ恋人は現れず…そんな中マリオとナタリアは徐々に親しくなっていきます…。

     そして4日目の夜……




原作に沿ってはいるものの…忠実なのはブレッソンの方…「長年孤独で拗らせている引きこもり」という主人公はマルチェロには到底似つかわしく無く、ちょっと雄弁でカッコ良すぎ!! …今作はドストエフスキーのロマンチシズムとヴィスコンティの美の世界の融合を見事に昇華させた作品です…。

舞台となる町は全てセット…ヴィスコンティらしく様式美に溢れた舞台空間は溜め息が出るほど幻想的でロマンティック…。

そして小説での季節は夏…《白夜》とはヨーロッパの夏、太陽が沈んでも暗くならないことですが、今作での季節は冬…モノクロの世界に降る雪を見事に白夜としたヴィスコンティの美的センスに惚れ惚れします…そしてそれを助長するのは美しくて儚い旋律の音楽…ニーノ・ロータ… ♪ (ღ˘◡˘ற)‧⁺⁎ウットリ♡

また、ふたりがバーで踊るシーンはとても微笑ましいですが…ロックの曲に乗せて踊るマリオの踊りが独創的過ぎて目が点…!! ꒰笑꒱


ラストは残酷で…なんて美しいのでしょう…。

冒頭に出てきた野良のワンちゃん…ラストもお見事!!…パルムドッグ賞をあげたいですっ…(*´˘`*)♡フフフ!!


ヴィスコンティもブレッソンもどちらも監督の色が出た素晴らしい作品…ただ好みはやはりブレッソン…ෆ*
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