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獣人のcyphのレビュー・感想・評価

獣人(1938年製作の映画)
3.8
呪われた遺伝を抱えたジャン・ギャバンと呪われた過去を持つシモーヌ・シモンの不倫の愛 ちょうどアリバイがなくて言葉遣いが粗暴ってだけで冤罪にかけられる役回りで登場するルノワールが犯罪的にチャーミング つぶらな瞳の熊さん、その圧倒的な存在感よ キートンの機関車は躍動感に欠けてあんまり乗れなかったんだけど本作の機関車はそのものが主役だと言わんばかりに迫力があって(時代の進行に感謝)煤まみれのジャン・ギャバンとジュリアン・カレットのつかず離れずなバディ感もいい みんなだいすきジャン・ギャバンが黙々と雑飯用意してるシーンもある

ある種古くさいサスペンス&メロドラマに過ぎないのだけど、シモーヌ・シモンの妖艶な美貌とジャン・ギャバンの渋さ&顔のデカさでむしろこれが映画だよォという気になっちゃう 大雨の小屋に転がり込んで雨が上がり…の演出も愛おしい 白眉は終盤のダンスパーティー、決定的な瞬間を焦らすため丁寧に描写される楽団、ブルーカラーの男たちの正装が最高、煌びやかな一夜にこそ獣は目覚める コテコテでラブ
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