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ミッドナイトFMのsssのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイトFM(2010年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

生放送中に事件が起きる映画大好き!
「マッドシティ」や
「マネーモンスター」
韓国映画でいったら
「テロ、ライブ」がある。
どれも大好きな映画だ。
で、この映画も同じ棚に入るかなとワクワクしてたのに、
超がっかりだ!

この監督って、生交渉もの映画
(生放送で犯人と交渉する)
の事がよくわかってない。
何が生交渉ものの魅力かがわかってない。

生交渉もの映画の最大の魅力ってのは、
犯人が主人公にコンタクトをとってきた時が一番ワクワクして面白いわけ。
さぁ犯人はどんな奴だ?
一体何が目的だ?
どんな人物なんだ?
そこが一番楽しい!!
「テロ、ライブ」ではそこが実に上手かった。
今作では構成上、犯人が誰か、ということでは無い。映画の冒頭から犯人の犯行シーンが出てくる。ほ〜、その路線で行くか。だとしたらその犯人を魅力的に描けよ!じゃないと成立しねーぞ!
「マッドシティ」や「マネーモンスター」の犯人たちは凄く魅力的だったよ!
観客が犯人に感情移入してしまうくらい魅力的なんだ!!

けどこの映画の犯人はダメだ。
フード被ってる姿が出た時点で、はいはいこのパターンの衣装ね、こんなやつ何百回も見たわ!
残酷描写も生半可で、直接的な暴力シーンは見せてくれないから、いくらサイコ野郎とか言ったって、本当に恐ろしい奴だっていう説得力がないわけ。登場シーンから、あぁこいつは子供を殺せるような奴じゃないな、ってのが滲み出ちゃってんの。全然説得力ないじゃん!全く緊迫しないよ!

冒頭で主人公の妹を追い詰めるシーンでは、露わになった生脚をせっかく映してるのに、強姦しそうな雰囲気も出さない。出せよ!血も涙もないサイコ野郎にしろよ!!

生交渉もの映画のもう1つの醍醐味はやはり「緊迫感」だが、この映画にはその醍醐味が…ヒドイ事に!
せっかくのラジオ番組なんだから、時間制限を使った緊迫感はいくらでも出来るはずなわけだ。
例えば、CM中に急いでリクエスト曲を探すシーンがあるが、やっと見つけてスタジオに帰ってきたら、「同じCMを4回も流しちゃったぜ〜」みたいな事とか言ってんの。
バカなのか?!
「CM開けまであと30秒だ!時間がない!急げ!」とかやれよ!
時間をカウントダウンしろよ!!
生放送って設定の良さってそこだろう!全く活かしきれてねーじゃねーか!

また、至る所で設定に無理があったし、分かりずらかった。

テレビ局で犯人が映像を流すシーンは分かりづらくて状況が掴みずらかったし、

主人公が失神から目覚めた時に、どのくらい失神していたのか。まだラジオはオンエア中なのか、それとももう終わったのか。それを早めに観客に教えてくれないからそこが気になって仕方ない…
しかも結果、失神したのは5分〜10分程度。お前それそもそも失神させる必要あったのか?と突っ込みたくなってしまう。

カーチェイスしながらラジオ中継を続けるシーンとか、どうやってるのか…
もう中継車はいなくなってたし…
どういう回線でそうなってるわけ?
無理矢理でもいいし、たった一言でもいいから説明してくれよ!気になっちまうんだよ!

あと、「セヨンも殺された」って…
セヨンってだれやねん…
そんな奴の名前はいちいち覚えてねーよ!そんな重要なシーンになるならもうちょっと冒頭でわかりやすくキャラ説明しといてくれよ!
こういう所、ほんと下手くそだな!

ラストのコンテナの中でまでラジオ中継してるシーンなんかボケ倒してて。
ラジオを中継しながらそのラジオを聴くとハウリング起こしてしまうんですけど…
そういうこと、わかってるのかね?
絶対この脚本家と監督はラジオっ子じゃねーわ。
そもそもこの深夜の映画音楽って番組がクソつまんないしさ…
こんな番組、人気ねーだろ。
主人公の声も特別いいってわけでもねーし。

あとラストのコンテナシーンはさ、なんで火がついてるの?なんの前振りもなく。わけわかんねーよ。
ホラー映画の鉄則みたいに最後に舞台を全焼させたいのかなと思いきや、全焼するわけでもねーし。ただ単に火があればかっけーぜ!みたいな気持ちでやってるだけなんじゃないのか、と思ってしまう。

そして何よりこの映画の決定的にダメなところはラストで娘がママー!って叫ぶところだよ。
話す仕事をしてる主人公の娘が話せないって設定は良いんだよ。
きっと最後には娘が声を出せるようになるんだろうなぁ〜とこっちは泣く準備してるわけよ。なのにラスト、ママー!って叫ぶシーンは変なスローモーションがかかって、お涙頂戴的な薄っぺらい音楽がふわふわ流れて、ヤジの声はワーワー聞こえるのに肝心の娘の声が聴こえない!!!
そこ一番重要なところだろ!!
感動シーンが台無しだよ!!
そこは全部の音をミュートにして、娘の声が「ママー!」って鳴り響いて、BGMバーン!と流して、2人が泣きながら抱き合えばいいんだよ!なんでそれができねーんだよ!そのために娘が喋れないって設定にしたんじゃねーのかよ!!

…もうほんとね、呆れましたね…
一体何がしたかったんだ…

おまけに一番最後、気がきいてるっぽいセリフで映画終わってるけどさ、もうなんか、超ダッセーとしか思えなかったですね…全然うまくねーし…製作者のドヤ顔がはっきり見えましたね。

あぁ、久しぶりに韓国映画でハズレ引いたなって感じです。
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