このレビューはネタバレを含みます
白石和彌監督の手腕のおかげで安心してみれた
黄色を意識したカラグレがされてて新鮮だった
(あまり好きではないが)
物語の運びがスムーズ
ダレることもなく、行き急ぐこともなく、丁度いい
草なぎ剛の怒りに満ちた表情が最高だった
敵役のキャスティングはもっと悪賢そうな俳優の方が良かったのでは?と思った
(斎藤工が囲碁が強そうに見えない)
イケメン俳優が苦手だけど中川大志は情けない顔を臆せずやってて気合い入ってて好きになった
途中から旅を共にする左門の役者さんが良かった
白石組常連の音尾琢真は言わずもがな。
感心した演出
草なぎ剛が妻の死の真相を知らされて碁盤に戻ってきて動揺しながら囲碁の続きを打つシーンで、草なぎ剛の心の不安定さを表すためにロウソクの火が揺れる演出をしてて良かった。
一方の國村隼のロウソクの火は安定してた。
こういう演出は最近少ないので嬉しい。
これぞ映画表現ってかんじ
映画が面白くなる要素の王道である、
人探しやタイムリミットという設定も設けられててエンタメ性が担保されつつ、演出はエンタメに振り切らず抑制されてた
斎藤工との囲碁の知的ゲームハラハラドキドキ感や、斬り合いシーンでも過剰な演出は良くも悪くも抑えられてた。
囲碁シーンではやっぱ「クイーンズギャンビット」ばりの緊張感が欲しかったよね。
あと殺陣シーンは基本的にやはり凡庸だったよ。
斎藤工の刀さばきは残念だったし
腕を落とすシーンもあっさりで
演出のタメがなかった。
緊迫感や迫力に欠けてたと思う。
「たそがれ清兵衛」の決闘シーンの迫力と比べてしまうとかなり地味。
そう思うとたそがれの方は貧乏だけど丁寧に茶碗の米を食べるシーンがあってそういうところも良かったなぁ。
この映画にはそういうのがなかったのが残念。
あとタイムリミット間近で急げー!って所ももっとエンタメに寄せれるのにあえてしないので、映画全体の印象としては地味だけどまぁ好感は持てた
数ヶ月したらどんな映画だったか忘れちゃいそうだけど、いい映画でした
あとエンドロールの入り方が良かったね
背中で終わるのが良い