佐藤でした

ボルサリーノの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

ボルサリーノ(1970年製作の映画)
3.3
アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンド。フランスの二大スターが初共演したギャング映画です。
この時ドロンは35歳、ベルモンドは37歳。2人は全くタイプの異なる男前だけど、右を見ても左を見ても眼福の極み。(わたしはベルモンド派。唇からセクシーがほとばしる!)

うん、改めて見てもこのツーショットは夢のよう!

現代で例えるなら……。ちょうど、あれ。
キャプテンアメリカvsアイアンマンが見られた「シビルウォー」に近いかも。ファンからしたら胸アツのクロスオーバーってやつ。
そう、この2人も別々のスクリーンにだけ存在する人同士という認識でいるから、極めて[嬉しい組み合わせ]になるのです。

それで一人の女性を取り合いっこだもん。ドロン扮するロッコは出所したばかりの身なんだけど、その逮捕前の彼氏がロッコで、収監中&出所後の彼氏がベルモンド扮するフランソワってわけ。立派な恋敵なんだけど、取っ組み合いの後、なぜだか意気投合する2人。

まだまだヤンチャな彼らが共に、暗黒街を牛耳る大物ギャングたちを手玉に取って、のし上がっていくという物語。


題名の「ボルサリーノ」は、高級帽子メーカーの名前。単なるチンピラだった2人が、当時の成功者の象徴であった「ボルサリーノ」をかぶるまでに出世することを表現してるんですね。おしゃれ。

ドンパチは確かにするんだけど、テンポが悪くて、なんだか軟派なギャング映画。
俳優、音楽、ファッションはみんな素敵なのに肝心のプロットが凡庸で、もうひとつまみスパイスが欲しいところ。

唇ヂカラと目ヂカラのある主演2人を堪能するにはしかし、持って来いの一本です。
佐藤でした

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