げんき

日の名残りのげんきのネタバレレビュー・内容・結末

日の名残り(1993年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

言葉や仕草に出さない恋心
ビターとも違う、もどかしさのようなもの。
徹底して品格を重視するがゆえに、表に出さない恋。恋だけじゃなくて感情も押し殺している。

展開に大きな緩急があるわけではないから場合によっちゃあ眠くなるし、つまらなく感じるかもしれない。見てる時より後日ふと考える時とかのほうが楽しい。一番好きだと思える要因は、数年後の2人の恋の行方を『THE REMAINS OF THE DAY:日の名残り』と表現している所だから、原作を読んだ方がいいのかもしれない。

感情を奥底に隠し続けていたスティーブンス。仕事を第一に考え、父の死も恋心も封印し、館で執事としての職を全うする。数年後、文通を機会に恋した女性との再会を果たすが、彼女には孫が生まれる。時間の流れを実感する。結局再会の場でも感情を閉じ込めた彼は館へと帰る。ラスト、館に迷い込んだハトを外に逃がし、それを見つめるスティーブンスは、窓が締まり館の中にいるまま。感情を自分の中に沈めたように、身も館に沈めて終わる。

このハトとスティーブンスのラストは、話の全てを象徴している。


こういうノスタルジックさや人生で無駄にしたことを振り返る系は、好きなんだけど、複数回見るのに根気がいるんだよな。
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