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日の名残りのiceblueのレビュー・感想・評価

日の名残り(1993年製作の映画)
4.0
過ぎ去った日々の名残惜しさ。老境にさしかかった主人公の想い。‘日の名残り Remains of the day’とは何と文学的なタイトルなのでしょう。カズオ・イシグロの原作も読まなくては。
 
お屋敷以外の世界を知らず、身も心も主人に捧げる執事という職業。誇り高く、不満や疑問、思想さえ持たない(もしくは押し隠す)スティーブンスがミス・ケントンに出会ってから心の揺らぎを見せ始める。A・ホプキンスの演技が格調高く、さすがの貫禄。

再会の約束をした二人。時の流れは彼らにどんな作用を及ぼすのか。この終盤のシーンは素晴らしい名演。
晩年になるまで生き方を変えられずにいた主人公の葛藤が胸に残る秀作。
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