アスガー・ファルハディ監督作。「別離」が良かったので同監督の他作品を鑑賞。
あらすじ
週末を使ってカスピ海沿岸へバカンスに向かったイランの中産階級の男女グループが、その中の一人の女性の失踪を切っ掛けに、彼女の行方と原因を巡り混乱を巻き起こしていくサスペンスミステリー。
一人の女性の失踪でグループ内で責任転嫁が始まり、人間の黒い部分が浮き彫りになっていく様を現代イラン社会問題を背景に据えサスペンスタッチに綴る。また小さな嘘一つで亀裂が生じてしまう脆く崩れやすいリアルな人間模様を描いた見応えのある心理劇となっている。
後半の婚約者の登場から空気が一変し、一気に緊張感が増す。そして終盤での失踪の真相が発覚後、中盤の意味深な台詞「永遠の最悪より、永遠の最後がマシ。」この台詞が深く刺さって来る。本作も良かったのでこの監督の作品はこれからも追って行きたい。