さすらいの用心棒

ロストパラダイス・イン・トーキョーのさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

3.5
知的障碍者の弟の性処理のためにデリヘル嬢を呼んだ兄。地獄のような現実で、やがて3人の絆が救いとなってゆく────

『孤狼の血』『凶悪』の白石和彌監督の長編デビュー作。
自分の存在が無用とされる世界で生き続けなければいけないというのは、地獄でしかない。その思いを共有する3人が、お互いを求め合うことでそこに小さなオアシスが生まれる。
前半の一時間は見ていて辛いんだけど、終着点の爽やかさに救われる。人の汚い部分を徹底的に白日に晒す白石監督の色を残しつつ、こういうやさしい側面もあるのか、という意外な映画だった。