へちまびと

エクソシストのへちまびとのネタバレレビュー・内容・結末

エクソシスト(1973年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ホラーは苦手なのだが、一般教養や…と自分に言い聞かせて真夜中に一人で鑑賞。

とにかく怖い。
こんな怖い映画、他にあるだろうか。(ホラーが苦手で引き出しが少ないせいかもしれないが)ちょっと思いつかないくらい怖い。

まず主人公が頼りない。
なんか、泣いたりする。
それに比べて悪魔パズズの恐ろしさったらない。
首を180度回されたり、ブリッジで歩かされるなどして日に日に憔悴していく少女リーガンがどこまでも気の毒だ。(実際役者の女性は無理な姿勢が祟って普通に背中を痛めたりしたらしい)

医療措置と医療機械の動作が不気味で禍々しく痛いのもつらい。

深読み系の解説では「これは思春期の少女が親に酷いことを言うようになる恐怖だ」みたいな説が飛び交っているが、個人的には同意しがたい。

圧倒的な悪の存在、そしてそれに打ち勝つ絶望的な困難さが、この恐怖の正体だ。
主人公神父は最後に生命を投げ打って悪魔払いを成功させるが、パズズは出て行っただけで、斃されたわけではない。

あれだけの苦労を経て、命まで失って、少女一人救うのがやっと、悪魔は健在というこの無力感。
変な裏読み的理由などなく、単純にホラーとしての演出に大成功した作品だから、歴史的一本になったのだと思う。