ピロシキ

八月の狂詩曲(ラプソディー)のピロシキのレビュー・感想・評価

2.5
シューベルトの野ばらをソラで唄い、初対面のアメリカ人をジョン・ウェインに喩える、屈託のない子どもたち…。いかにも「老人が書いた」脚本といった印象で、古臭さと説教臭さが目立ち、瑞々しさは感じられない。むしろ不自然ですらある。

「乱」の仲代達矢が憔悴しきって絶命したと同時に、黒澤のクリエイティビティはぱったりと尽きてしまったのだろうか。はたまた時代が黒澤に追いついて、追い越してしまったことの証だろうか。少なくとも今の自分は、90年代の黒澤明作品に面白みを見出せる境地には達していない。ラストのずぶ濡れバアちゃんは衝撃的でむっさわろたけど。
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