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男はつらいよのblacknessfallのレビュー・感想・評価

男はつらいよ(1969年製作の映画)
2.8
「寅さんはパンクだ」(たった一人でも悪に立ち向かうから)
デヴィッド・ボウイに帯同して日本に向かう飛行機内✈️で寅さんを観たイギー・ポップはそう言って絶賛したんだって。そして浅草に直行して雪駄まで買った。寅さんシリーズのビデオも揃えるほどのハマっぷり。
という話をTwitterで見かけた。本当かよ!?
自分のイメージする寅さんとあまりにかけ離れるから困惑したねぇ。とは言え寅さん、まともに観たことないから、とりあえず1作目をチョイスした。

中学で家を飛び出した寅さんが20年ぶりに浅草の実家に帰ってくる。5歳だった妹さくらは妙齢の美女になっていた。戸惑いながらも再会を喜ぶさくらと地元の面々。この時点でかなり違和感が。
両親の死に目に帰らず妹放ったらかしにしたことを咎める人が居ないんだよな。さくらの面倒見てた団子屋🍡夫婦とか怒るじゃないかと思うけど、そんなこともなく寅さんまで快く受け入れるし人情ってことなのかな。
当のさくらも20年も会ってなかったら兄がどんな人間になってるか分からないから警戒したりとかありそうだけど、それもなく感動の再会になる。ファンタンジーだねぇ。

その周りの寛大過ぎる対応をけっこう当たり前のように受け止める寅さんが何より不気味だよ。色々殊勝なことを言うし朗らかでコミカルな雰囲気だけど、いや、それだけにヤバい人に見えたな笑

で、ちょうどさくらにお見合い話があって、相手はいいとこの男。そのお見合いに唯一の肉親だから寅さんも同席するんだけど、会食の席で泥酔して調子に乗って冗談をガンガン飛ばすんだけど、これが全部場にそぐわない下品なもんで相手方の親族はドン引きして破談になってしまう。
それを団子屋🍡のオヤジやさくらに難詰されると、俺のようなヤクザな兄貴がいるから結婚できねぇと言いたいのか、と逆ギレした挙げ句、さくらに頬を叩く狼藉を働く😨
一体こいつのどこが日本の良心なのかさっぱりわからんよ。
勿論、心ない悪人ではないんだけどまったく相手の立場を考えず自分の善意を盲信する独善魔人なんだよ笑
寅(もはや敬称略)にないのは教養じゃなくてデリカリーと想像力だよ。だいたい会食の席でう☆こ💩ネタを執拗に言うのはアウトだろ笑 それぐらい察しろって笑

この後、定番のヒロインに岡惚れしてまったく恋愛対象と見られてないとわかり傷心して、まあ、寅さんかわいそうって展開になるげど、正直まったく同情できないよ。
そして傷心の寅はまたフーテンとして旅立ち、さくらは悲しむんだけど、でも、コイツ居ない方がいいよね。自分がさくらなら絶対に近くに来てほしくないな。振り回されるだけじゃん笑
善意だけに言っても改まらないだろうしさ、、

ザッと観たけどイギー・ポップが言ってるようなたった一人で悪に立ち向かうとこなかったよ笑 イギー・ポップが飛行機✈️で観たやつ何作目だったんだろう?

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