浅野公喜

第3逃亡者の浅野公喜のレビュー・感想・評価

第3逃亡者(1937年製作の映画)
3.4
(再び連続で)ヒッチコック監督作品を観るの巻。今回のストーリーもヒッチコックお得意の巻き込まれ型逃走劇。しかしサスペンス色薄く、ロマンスコメディ色濃いめ。

警察に捕まっても簡単に逃げれたりとやや都合の良過ぎる展開に、犯人と主人公が直接戦うような描写も余り無く、同系統のヒッチコック作品と比べると終盤のクローズアップを除けば全体的に緩く切れ味も余り感じません。しかし旅をしているようなどこかのんびりした雰囲気は、何作かヒッチコック作品を頻繁に観ていると割と新鮮で、パーティーに招待された際に家の前の置物をそのままプレゼントにして渡したり、ジャズバンドのリズムがトンチンカンになったり、廃坑が崩れたりコメディにアドベンチャー要素も有ったりとバラエティに富んだ作品だったりします。

現在では人種差別的表現とも言える顔を黒塗りにするジャズバンドマン達の姿や、車のエンジンをかける際に前方に有る棒を回したりする所は時代を感じますね~。
浅野公喜

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