さわだにわか

白い牙のさわだにわかのレビュー・感想・評価

白い牙(1960年製作の映画)
3.5
息子が親父に金貰うのは嫌なんだけど遊ぶ金は欲しいから(そして多少の復讐心もおそらくあって)母親に金せびりに行ってその自分の情けなさに自己嫌悪を覚えるところ、超あるあるでよかった。あと母親が風呂に全裸でぶっ倒れて泣くところとか。インパクトあったよな。

ドロついた家族の姿を見れば見るほどロケットに青酸カリを入れて携帯している(のか冗談なのかは寝ていたから知らないが)娘はイエス様とアガペー的なものに傾倒していくが、そんな女こそ彼女を苦しめる権力とセックスにしか興味がないろくでなし男どものいい餌食というわけで身も蓋もない。がしかし、そんな男どもにあえて食いものにされることで娘は堕落し男どもが結局はすがる母なる幻想を打ち砕くのであった。

丘の上の狭い世界で互いに食ったり食われたりするだけのつまらないろくでなしどもを捨てて娘が延々と坂を降りていくラスト、どことなくハードボイルドだった。
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