美智

プレステージの美智のネタバレレビュー・内容・結末

プレステージ(2006年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

アンジャー(ヒュー・ジャックマン)は、妻が事故死する要因を作った恨みから、同業者で職場仲間だったボーデン(クリスチャン・ベール)と仲違いをし、お互い復讐に復讐を重ねていく話。

冒頭のアンジャーの妻が亡くなるシーンでは、いやボーデン!普通にアンタが悪いやろ!と思った。笑
紐を結ぶ時に、亡き妻とボーデンはアイコンタクトを取ってたから了承の上での本当に事故だったんだろうと思うけど、あんなにも危ないマジックでわざわざハードモード選ばなくたって…、と。
でもその高すぎる意識がボーデンのその後の人生にも反映されているし、一貫はしていたのかな。

あと、テスラ(デヴィッド・ボウイ)の実験場がエジソン側の人間に燃やされてしまうシーン。
あんな一蹴りで扉が壊せるなら電流流してる意味なくない?の気持ちが先行し過ぎて集中出来なかった。あれは思わず笑ってしまった。笑
テスラが出てくることによって突然SFっぽい雰囲気にはなったけど、その結果が瞬間移動装置に、より一層の真実味を持たせてくれたんだなとも思う。こういう装置を作ることが出来てもおかしくはない!という認識を。

帽子や猫と同じように瞬間移動ではなくアンジャーが複製されてるんだろうな、までは何となく予想がついてはいたけど、わざわざ毎回片割れを殺していた(死んでいた)というのには想定外で驚いた。
途中までは、ボーデンがタネを暴きに来そうなタイミングで、あえて亡き妻と同じ死に方を選んで自殺をして今世からさよなら且つボーデンの心にも人生にも傷を付けてやったのかな〜、とか思っていたんだけど全然そんな事はなくて毎度の事だったのが悲しいというかなんというか。
それも含め、最初は妻を殺された恨みから始まったはずのバトルが中盤頃からはアンジャーの口から妻のことなんて一言も出てこなくて悲しかったな…、もうただのきっかけに過ぎなくて彼らは勝ち負けしか頭に無かったのかな。

鳩マジックで鳩が死ぬのを嫌がっていたアンジャーが、最終、自分のクローンを殺しながら鳩マジックと同じような手口でマジックしてたのもなんか切ない。そうでもして観客を湧かせたかったのか〜って。

でもやっぱり、ボーデン=ファロンが明かされた時が一番気持ち良かった。
コールドロウ卿=アンジャーなのは想像がついていたけど(亡き妻との会話で、芸名で活動しないと家名に傷がつくって発言からちゃんと伏線あったし)、ボーデンが双子でファロン=ボーデンは考えられてなかったな…、少し似てるなあとは思ってたしなんでファロンは怒鳴られてもボーデンと一緒にいるの?理不尽じゃない?とは思っていたけども。
お互いの人生をマジックに捧げたのが凄い。

カッター(マイケル・ケイン)はボーデンに双子がいることを知っていたのかな。瞬間移動マジックをボーデンが始めた時にも、アンジャーは仕掛けについてとやかく言っていたけどカッターは「替え玉がいるんだ」と確信していたみたいだったし…

最後の最後で大量に死んだアンジャーのクローンが映ったのすごく良かった。
美智

美智