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アンジェラの灰のmhのレビュー・感想・評価

アンジェラの灰(1999年製作の映画)
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アイルランドの貧困家庭の話。
子ども時代からおとなになるまでをノスタルジックに描く、ちょいちょい見るタイプの映画。ただしこの話は貧困がすごい。
子どもを失った思い出から逃げるようにアイルランドに戻ってきて、親戚の家から追い出されて、アイルランド独立運動に参加した際の退役年金をもらおうとダブリンにいったけど、リストに名前がないため追い返され、結局は母親アンジェラの実家のそばに定着する。一年の半分は一階が浸水している借家に住むことに。
世界は大恐慌で失業者も多いんだけど、それ以前にお父さんがやばい。家族に酒で迷惑をかけ続けている。
おかあさんもおかあさんで人間味あふれる行動が多くて、そんななかで育つ男兄弟の一番上が主人公。やがて、この自伝を著すことになる=成功が約束されているのが救いみたいな家庭状況。
雨が降っているか曇っているかのアイルランドの自然が、テーマと合致してるのがまたいいね。
アイルランド建国の祖マイケルコリンズ、エイモンデヴァレラなどの名前も聞かれた。
なっち字幕でいうところの「因業ばばあ」が死んだときに財布から金の一部を抜き取ったけど、借用書を始末してあげたので、差し引きゼロという結末にはちょっと戸惑うけど、原作にはあると思われる因業っぷりがはしょられたせいかもしれない。
というか、へんないちに傍点入ってるから字幕翻訳戸田奈津子だと思ってたら、その通りだった。
今回も「セコハンのベット」「髪の毛おっ立てて」とかなかなかの活躍ぶり。「IRA! UP! UP!」は、「起きろ!」じゃねーだろ。
せっかくのいい映画に水さすのやめて欲しい。
DVDにはインタビューもあったので再生したけど、お父さんはアルコール依存症かとか、おかあさんは子どもを守るため親戚のデブと寝たとかのネタばらしはこっちが受け取った印象まで画一化陳腐化するようで、正直あまり聞きたくなかった。
面白かった。
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